第3話 トラクター
4月2日土曜日,明日は雨.
今日やるしかない.そう思いながら広坂に来た.
そう,いよいよ新年度.始動である.
まず,一番使うであろうトラクターとミニ耕耘機の試運転.
なんせこの耕耘機,ばあちゃんが使っていたものなので,私が高校生の時以来ほとんと動かしていないはず.
...8年くらい?前になるのか.
この2週間前に自分でちょっとエンジンかけてみようとしたけれど,かからず.
そこで,機械の得意な父に見てもらえないかお願いしたところ,,
15分ほど,耕耘機を観察したり各部の働きをチェックして,
「エンジンにガソリンがいくようにこのつまみを開けばいいんじゃない?」
ブォーーーン!!
・・一発.動いた.さすがエンジニアだ(職業はエンジニアに近いけどエンジニアではない).
小さい耕耘機では深く耕せず,畝(うね)は作れないもののとりあえず表面は耕すことができたので,通ったところは繁茂していたぺんぺん草を一掃できていた.
さて,次が本番.
大きい方のトラクターだが,,
あらかじめ印刷してきた取扱説明書は読んだものの,イマイチ不安が残る.
だって,教科書読んだだけで,いきなり運転するのはねえ...
父と弟と3人で,こうかなあ?と4,5個あるレバーやスイッチを見ていたら,
なんと,ご近所のベテランの農家の方(じいちゃんのお葬式でお会いした方)が,
「なんかわからんことある?」
と聞きに来てくださった.なんて親切なんだ.
同じメーカーのトラクターを使っているとのことで,一通りの耕すのに必要な操作方法に加え,刃のメンテナンスについてや,地域の農機具の修理屋さんにも電話で紹介までしてくれた.
(私は,その方を心の中で師匠と呼ぶことにした)
そして,トラクターの方は,師匠のおかげで,問題なく動いた.
こちらがそのトラクターである.
いきなり公道を走るのはちょっと,,とすこし不安になっていたが,
父が畑まで乗って行ってくれた.
途中,軽トラなどの車と交差点で道の譲り合いになった時は父も実は怖かったらしい.
が,乗ったこともないのに,一番に乗って行ってくれた父の背中は,
非常にカッコよかった.(今までの人生で一番尊敬したかもしれない)
おー!できてる!!!
お父さん,ありがとう!
私も運転させて!
・・畑に入った途端,やってみたくなるお調子者である.
公道は,初めてで運転するには,少しトラクターの座席が私の体のサイズに合っていなかった.(157センチなので,本当はもうちょっと座席を前にもっていきたい)
チャラーン!
MTの車と操作方法はほぼ同じだったので,運転できました!
これで,なんとか今後も動かすことができそうだ!よかった.
これができなかったら,始まらないから.
弟もやってくれた.いいやつだ.本当に.
彼の本日の一番の功績は,畑の側溝が泥とゴミで完全に埋まっていたのを,怪力で一人で掘り起こしてくれたことだ.
私がやっていたら何時間もかかっただろう.すごく疲れたらしい.
そうだろうな.笑
弟よ,ごめん,写真撮り忘れた.
姉はトラクターに夢中で.
そして,午後5時ごろ..
・・まさか,本当に今日中にここまでできるとは..
師匠と父,そして,率先して力仕事を引き受けてくれた弟のおかげである.
こちら広坂のじいちゃんが大事にしてたはたけ!
じいちゃーん!こんなに綺麗に耕したでー!!
うおー,でかミミズ!
(次回に続く)